建築活動家 › 2013年08月01日

2013年08月01日

免震建物とは

奈良の日帰り旅行の続きです。

奈良公園から大仏殿に向かう途中、何となく入った施設が
「奥村記念館」でした。
パンフレットを読みますと、
奥村組と言う建設会社の創業100周年事業で建てられた
記念館で、無料で開放されているようです。


写真は、地震を体験できる装置で、僕が座っています。
熱心に質問しているのが、僕の息子です。

体験装置では、
震度6の揺れを体験し、免震装置が働いた時の揺れも体験できました。

まず、揺れ方が全然違いました。
建物の基礎部分(イスの下の部分)がスライドする、もしくは平面方向に滑る感じです。
なので、基礎が固定されている一般的な建物は、柱がしなるように揺れる構造計画を
しますが、免震装置の建物は垂直に立ったままゆっくり滑るように揺れる感じでした。

高層の建物の地震対策には、非常に有効な装置と言えそうです。

「一般社団法人 日本免震構造協会」 が発行している
子供向けの解説用紙をもらいました。
装置の種類とはたらきが書いてありましたので、紹介します。

積層ゴム支承 : いつもは建物を支えていて、地震の時に揺れを緩やかにする。
すべり支承 : すべりやすくした板が動いて、地震の揺れを緩やかにする。
転がり支承 : 地震の時に、ボールが転がって揺れを受け流す。
鉛ダンパー : 鉛が変形することで、揺れのエネルギーを吸収して、揺れを小さくする。
鋼材ダンパー : U型の鉄が曲がることで、地震のゆれのエネルギーを吸収して、揺れを小さくする。
オイルダンパー : 中に入れられた作動油という液体の力で、地震の揺れを抑える。

免震建物では、これらを組み合わせて効果的に計画するそうです。

「東京スカイツリー」 や 「大阪阿倍野ハルカス」 の建築では、
五重塔の心柱が地震に強いということで
心柱の地震力の流れ方を解析して、
現代の超高層ビルの建設技術に採用されているそうです。


北摂を中心に住宅・建築設計活動をしています。

グロウデザイン/一級建築士事務所 若井義治
大阪府茨木市西駅前町10番508号
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Posted by growdesign at 20:37Comments(0)建築のいろは